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令和6年(2024年)7月1日号

★ シリーズ~税制改正 公益法人等に対する寄附金


 今回のシリーズでは、公益法人等に対する寄附金の個人所得税額特別控除の見直しについてご紹介いたします。

Ⅰ.概要

公益社団法人、公益財団法人等の特定公益増進法人に対する寄附金については、所得控除方式と税額控除方式のいずれかを選択することができます。

 所得控除方式では、その年に支出した特定寄附金の額の合計額か、その年の総所得金額等の40%相当額のうち低い方から2千円を引いた金額の控除を受けることができます。

 税額控除方式では、その年中に支払った公益法人等に対する一定の要件を満たす寄附金の額の合計額から2千円を引いた金額に40%を掛けた金額の税額控除を受けることができます。


Ⅱ.税額控除の対象となる寄附金

 1.一定の公益社団法人等に対する寄附金

 2.国立学校法人等に対する修学支援事業等のための寄附金

 3.国立大学法人等に対する研究者支援事業等のための寄附金


Ⅲ.改正点1

 令和6年度税制改正において、学校法人または準学校法人等が税額控除の適用対象となるための要件について、特例措置が設けられました。

 これまでは、判定期間(直近5会計年度)に3千円以上の寄附をした者が年間100人以上おり、寄付金額が年平均30万円以上であることが要件となっていました。特例措置では、実績要件を年度ごとに満たしていること、税額控除に係る証明申請が令和7年度から令和12年度の間に行われること等の要件を満たしている場合には、実績判定期間を5年から2年へ短縮することができるようになりました。

Ⅳ.改正点2

 国立大学法人等への寄附に係る税額控除対象事業が拡大されました。これまでは学生の就学支援のための事業、研究者に対する研究助成・能力向上のための事業が対象でしたが、今回の改正において障がい者の就学支援、外国人留学生受け入れ環境整備事業に対する寄附金も対象となりました。


 今回の改正では、学校法人が税額控除の対象になるための要件が緩和されており、対象となる事業も拡大されています。

税額控除を受けるためには、税額控除に係る証明書を寄附先からもらう必要がありますのでご注意ください。


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★  中小企業向け賃上げ税制に上乗せ要件が追加されました


 6月のメールマガジンにて賃上げ促進税制の記事を掲載しました。その中で税額控除率に上乗せ要件があることに触れましたが、今回は税制改正で追加された上乗せ要件「くるみん認定」「えるぼし認定」について紹介いたします。


 「くるみん認定」とは、子育てサポート企業として、次世代育成支援対策促進法に基づき、厚生労働大臣が企業に対して行うものです。この対策促進法に基づき、労働者の仕事と子育てに関する一般事業主行動計画の策定・届出を行い、その行動計画に定めた目標を達成するなどの一定要件を満たした場合に自らで申請することで「子育てサポート企業」として認定を受けることができます。また、より高水準の取り組みを行った企業が一定要件をクリアした場合には特例認定として「プラチナくるみん認定」を受けることも可能です。


 もう1つの「えるぼし認定」とは女性活躍促進法に基づき、一般事業主行動計画の策定・届出等を行った事業主のうち、女性の活躍促進に関する取り組みの実施状況が優良である等の一定要件をクリアした場合に、自らで申請することで厚生労働大臣の認定を受けることができるものです。えるぼし認定には、定められている基準のクリア度合いでえるぼし認定の1段階目から3段階目までの3ステップがあります。また、女性の活躍促進などの取り組みが特に優良であると認められた場合には「プラチナえるぼし認定」を受けることも可能です。


 2つの認定とも、厚生労働省ホームページにて認定企業一覧を確認することができますので、興味のある方は覗いてみてはいかがでしょうか。


 賃上げ促進税制においても、多様な働き方の取り組みを積極的に行う企業を応援すべく、令和6年度税制改正にて「くるみん認定、プラチナくるみん認定」「えるぼし認定2段階目以上、プラチナえるぼし認定」の認定企業については5%の上乗せ要件を新設しました。


 それぞれの認定について、どんな要件があるのか、どのように申請したら良いのかなど、詳しくは厚生労働省のホームページをご覧ください。

 皆さんも子育てサポート、女性の活躍促進など多様な働き方に積極的に対応する企業を目指してみませんか。



厚生労働省「くるみんマーク・プラチナくるみんマーク・トライくるみんマークについて」 

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/shokuba_kosodate/kurumin/index.html

厚生労働省「女性活躍推進法特集ページ(えるぼし認定・プラチナえるぼし認定)」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000091025.html

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★ 知っておきたい災害等に強い住宅の優遇措置(税務)


 近年、災害により現行の耐震基準に満たない住宅の倒壊が多く発生していますし、年々猛暑となり暑さ対策も必要となってきました。

 そうしたなか耐震性能に優れた住宅や省エネ住宅について、税制上で優遇措置が設けられていますので、ご紹介します。


 まず、固定資産税の優遇措置として「長期優良住宅」に該当すれば、住宅の新築の場合、取得から数年間、建物にかかる固定資産税が半額になる特例があります。

 長期優良住宅は、長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅で、長期優良住宅の建築及び維持保全の計画を作成し、所轄行政庁に申請することで認定を受けることができます。

 原則として一戸建てなら3年、マンションなら5年ですが、これがさらに耐震性能に優れるなど一定の要件を満たせば期間が延長され一戸建ては5年、マンションは7年まで延びます。


長期優良住宅の詳細は以下からご確認いただけます。

https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000006.html


 また、住宅の購入・新築・増築資金を父母や祖父母が贈与した場合、最大1,000万円までが非課税となる住宅取得資金の贈与にかかる贈与税の非課税特例が、「省エネ住宅」について設けられています。

 「省エネ住宅」は、従来の住宅と比べて断熱性や気密性が高く、断熱等性能等級や、耐震等級(若しくは免震建築物)又は高齢者等配慮対策等級で定められた基準を満たした住宅で、2025年以降は、この「省エネ住宅」の基準を満たさない住宅は建てられなくなります。


省エネ住宅の詳細は以下からご確認いただけます。

https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/housing/index.html


 住宅の建築や購入は、人生の中でも大きな選択が伴い多額の資金も必要です。

 後々、知っていたらと悔いが残らないよう住宅取得資金の贈与税の非課税特例や、固定資産税の減免について各要件をご確認いただければと思います。

                                                                                                                                                              [7月号のトップへ ]

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令和6年(2024年)6月3日号

★ シリーズ~中小企業の賃上げ促進税制が強化されます


 令和6年度税制改正において、従業員等に対する給与・賞与を増加させた場合に税額控除を受けられる雇用者給与等支給額増加税額控除制度が強化され最大税額控除率が40%から45%に拡大されます。(令和6年4月1日から令和9年3月31日までの間に開始する事業年度が対象)


○改正のポイント

1.子育てとの両立支援・女性活躍支援の上乗せ措置の創設

 子育てとの両立支援・女性活躍支援の一定の認定(くるみん認定、えるぼし認定など)を受けた事業年度の場合、税額控除率が5%上乗せとなります。


2.上乗せ要件(教育訓練費)の増加要件の改正

 改正前の制度では、教育訓練費の増加要件については「増加率」のみで判定され、「増加額」は考慮されていませんでしたが、改正後は、教育訓練費額が雇用者給与等支給額に占める割合についても適用要件として考慮することとされます。

・改正前

 教育訓練費の額が前年度比で20%以上増加

・改正後

 教育訓練費の額が前年度比で10%以上増加かつ教育訓練費の額が雇用者給与等支給額の0.05%以上である場合


3.5年間の繰越控除制度の創設

 税制の適用要件を満たす賃上げを行っていても、赤字等のため税制を活用できなかった場合に控除しきれなかった金額の5年間の繰り越しが可能となります。なお、未控除額を翌年以降に繰り越す場合は、未控除額が発生した年度の申告において、給与等の支給額が増加したことがわかる明細書を提出する必要があります。


 中小企業向けの他、大企業向けの改正や、また、中堅企業向けの措置も新設されています。改正前の制度では、資本金1億円超の法人については大法人として一律の制度となっていましたが、改正後は、常時使用する従業員の数が2,000人以下の法人は中堅企業として要件が一部緩和されます。詳細については下記のURLよりご確認いただくことができます。


(参考)

経済産業省HP 

https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/zeisei/syotokukakudai.html

https://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/syotokukakudaisokushin/syotokukakudai.html

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★  戸籍証明書本籍地以外でも取得可能に!


 みなさん、戸籍証明書が本籍地以外でも請求できる(広域交付制度)ようになったことは知っておられますか。

 今までは本籍地のある市区町村の窓口でしか戸籍証明書を請求することができませんでしたが、令和6年3月から本籍地以外の市区町村で請求することが可能となりました。

 今回は請求に必要な条件等を紹介しようと思います。


〇 請求できる人

・ 本人

・ 配

・ 父母、祖父母(直系尊属)

・ 子及び孫

※ 兄弟はできない


〇 請求する際の注意事項

・ 郵送・代理人による請求はできない

・ 顔写真つきの身分証明書の提示が必要

・ コンピュータ化されていない戸籍証明書は請求できない

 広域交付制度が使用できることによって、結婚・相続時などの行政手続きの負担が軽減されます。令和6年4月1日からの相続登記の義務化が施行されました。ぜひ相続登記の申請でもご利用ください。 

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★ 災害義援金 法人・個人の税務について


 日本は地震や台風等による自然災害が多く、梅雨入りシーズンを迎え台風や線状降水帯の発生情報が気になる時期となりました。

能登半島地震の爪痕も色濃く残っている状況下ですので、義援金や災害見舞金等(以下「義援金等」という)を支払った法人・個人の方が法人税や所得税の申告において知っておくべき税務の取扱いについて情報提供させていただきます。


 災害により被害を受けた方への義援金等の支払先は地方公共団体に設置された災害対策本部や、日本赤十字社、社会福祉法人等様々です。例えば災害対策本部へ義援金等を支払った場合であれば、個人の方は「特定寄付金」に該当し寄付金控除の対象となりますし、法人であれば「国等に対する寄付金」として全額が損金に算入されます。

日本赤十字社、社会福祉法人等の場合も、最終的に国、地方公共団体へ拠出されるものであれば災害対策本部への支払いと同様の取扱いになりますが、それ以外であれば一般寄付金や、交際費にも該当しない100%損金の経費になるものもありますので、どの取扱いに該当するかの確認が必要となります。


 支払先や支援の方法は様々ですので、税務上の取扱いや確認手続き等について国税庁のHPに照会の多い事例がまとめてあります。できるだけ事前に確認していただき、法人税や所得税の申告にお役立ていただければと思います。


取扱いについて以下からご確認いただけます。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/saigai/h30/0018008-048/index.htm

                                                       [6月号のトップへ ]

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令和6年(2024年)5月1日号

★ シリーズ~交際費等の損金不算入制度の見直しについて~


 皆さん、暖かくなってきて外に出る機会が増えてくる時期となってきました。接待等も増えてくるのではないでしょうか。今月は、税制改正の1つ交際費の損金不算入の見直し、延長についてご紹介します。


〇 変更点(延長)

 中小法人が支出する800万円以下の交際費を全額損金算入することが可能なのは皆さんご存じだと思います。この800万円基準については令和9年3月31日開始事業年度まで延長となりました。


〇 変更点

 交際費等から除外される1人当たりの飲食費に係る基準が現行5,000円以下の飲食費は交際費等の損金不算入の対象とはなりませんが、この基準が令和6年4月1日以後に支出する飲食費については10,000円以下に引き上げとなりました。


○ 変更なし

 中小法人は飲食費×50%と定額限度控除額800万円との有利な方の選択が可能な点については変更はありません。

 コロナの影響で、外食の自粛や原材料の高騰で飲食店はダメージを受けたところも多かったのではないでしょうか。今回の改正で飲食費の基準が引き上げられたことが、飲食店にとって追い風になることを期待したいと思っております。

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★  給与明細のWeb発行

 デジタル化やペーパレス化、テレワークの導入などが進む中、給与明細をWebで発行される企業が増えているようです。


 給与明細を紙での発行からWeb上での発行へ移行した場合、業務の負担や印刷、配布等にかかるコストの軽減が期待でき、また、明細をスマホやパソコンで確認できるため、利便性の向上につながるのではないでしょうか。


 TKCシステムのPXまいポータルでは、給与明細書、賞与明細書、還付・徴収明細書、給与所得の源泉徴収票をPDFファイルで発行しパソコン等から閲覧することができます。給与明細等の発行については、従業員等ごとに紙かWeb発行かの選択が可能です。

 その他、PXまいポータルはマイナンバー制度や国税庁の推進する年末調整の電子化に対応しています。


○マイナンバーの管理

 従業員等やその扶養家族のマイナンバーや本人確認書類をWebで収集できます。顧問報酬や不動産使用料等の支払先のマイナンバー等も支払先にWebで直接入力してもらうため安全に収集できます。収集したマイナンバーはTKCデータセンターで安全に保管します。


○年末調整の電子化に対応

 年末調整は従業員等が申告書を手書きし、控除証明書を添えて書面で提出する手続きが一般的ですが、PXまいポータルでは入力画面の案内に沿って控除額等の入力を行っていただくことにより、申告書の提出が行えます。また、給与計算ソフトへの控除額等の手入力が不要となりますので、事務担当者も申告書の入力内容の確認等のみとなり事務負担の軽減が期待できます。

 令和6年6月の定額減税の実施における申告書等にも完全対応しています。


 なお、上記の機能はそれぞれ単独での処理が可能ですので、必要な機能を選びご利用いただけます。

 システムの導入にはパソコンやネットワーク等の環境についての確認が必要となりますので、監査担当者へご相談ください。 

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★ 子育て世代に朗報!住宅ローン減税制度の拡充

 誰しもが1度は憧れるマイホームの購入。自分も意を決して分譲マンションのモデルルーム見学に行ったことを思い出します。そんな憧れのマイホーム購入の際に多くの方が利用されるのが住宅ローンではないでしょうか。この住宅ローンについて、所得税額の計算に際して、減税をすることができることをご承知の方も多いのでないでしょうか。いわゆる住宅ローン控除です。そんな住宅ローン控除について、令和6年税制改正にて見直しが行われました。


1、控除対象物件の要件変更

 新築住宅・買取再販住宅については、「長期優良住宅・低炭素住宅」の場合に借入限度額4,500万円、「ZEH水準省エネ住宅」の場合に借入限度額3,500万円、「省エネ基準適合住宅」の場合に借入限度額3,000万円となり、前述の基準を満たしていない住宅は住宅ローン控除の適用ができなくなりました。ただし建築確認を令和5年中に受けている場合は控除対象となります。既存住宅に関しては、前述の基準を満たしている場合は借入限度額3,000万円、基準を満たさない住宅は借入限度額2,000万円となります。


2、子育て世代向けに特例措置が創設

 子育て世代向けに特例として住宅ローン控除の拡充が図られる部分もあります。前述の基準を満たしている住宅の購入について、子育て世代、若者夫婦世帯に限り借入限度額が変動します。「長期優良住宅・低炭素住宅」の場合5,000万円、「ZEH水準省エネ住宅」の場合4,500万円、「省エネ基準適合住宅」の場合4,000万円となり、若い世代の購入を後押しする形となります。


 控除対象になる建物の基準が厳しくなる一方で、子育て世代や若者世代のマイホーム購入の際には借入限度額の枠が大きくなるなど良い面もあります。控除率や控除期間、所得要件に変更はありませんが、床面積要件にも細やかな変更点もあります。詳細は下記URLよりご確認ください。


国土交通省:住宅ローン減税の制度内容が変更されます!

https://www.mlit.go.jp/report/press/house02_hh_000189.html

                                               5月号のトップへ ]

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令和6年(2024年)4月1日号

★ 所得税・個人住民税の定額減税概要

 「令和6年度税制改正の大綱」(令和5年12月22日に閣議決定)において税制改正の内容が決定され、この大綱に沿った改正法案が成立、施行され令和6年分の所得税及び個人住民税(所得割)から本人と扶養親族分を1人につき4万円が控除されることになりました。

 この控除が「定額減税」で、4万円の減税の内訳は6年分所得税3万円、6年分個人住民税1万円です。


実施方法は給与所得者、事業所得者、不動産所得者、年金等受給者等、対象者によって所得税及び個人住民税の控除方法が異なります。


特に給与所得者については令和6年6月1日以後最初に支払う給与・賞与について源泉徴収を行う際から定額減税を実施することになり、早めの準備が必要です。

 今月号のメルマガでは定額減税の対象となる人や注意点、準備等について次項でポイントを解説致しますので、ぜひご確認いただきたいと思います。

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★  定額減税 所得税の取り扱い

 前の記事で定額減税の概要をご説明しました。ここからは定額減税の具体的な中身について、所得税・住民税・事務手続きの3本に分けてご説明いたします。

 まず本記事では、定額減税の所得税についてご紹介します。


〇対象者

 令和6年分所得税の納税者である居住者で、令和6年分の所得税に係る合計所得金額が1,805万円以下(給与所得のみの場合は2,000万円以下)である人

 ※合計所得金額には給与所得だけでなく、不動産所得・退職所得・山林所得等を含みます。例えば給与所得が1,800万円で不動産所得が100万円ある場合には、合計所得金額は不動産所得100万円を加えた1,900万円となり、定額減税の対象からは外れます。


〇算出方法

 所得税における定額減税額は、以下の通りです。

1.本人3万円

2.居住者である同一生計配偶者及び扶養親族の人数×3万円

 

 例えば、配偶者と子ども2人を扶養に入れている場合は、本人3万円+配偶者及び扶養親族3人×3万円=12万円となります。


〇減税実施方法(給与所得者)

 給与所得者の定額減税実施方法は、月次減税と年調減税の2つに分かれます。


1.月次減税…令和6年6月以後支給となる給与等に対する源泉所得税を順次減税  

 対象者は令和6年6月1日時点で給与支払者のもとで勤務している源泉税額表の甲欄適用者です。令和6年5月31日に退職された方や、令和6年6月2日以降に入社された方は月次減税の対象とはなりません。

 ここで注意していただきたいのが、給与収入2,000万円超が確実な方(定額減税の対象から外れる方)についても、月次減税は行う必要があるという点です。月次減税では、1,805万円超かどうかの判定は行わず、甲欄の居住者全てについて減税を実施します。その後、年末調整や確定申告で精算を行うという流れになります。

  

2.年調減税…年末調整時点での定額減税額に基づき、年間の所得税との精算を行う

 年調減税では、令和6年6月2日以降に扶養親族の人数に変更があった方・再就職をした方などが、月次減税と年間の定額減税額の間の差額を精算する事務となっています。

 なお、年末調整時点で給与所得が1,805万円を超える方については年末調整を受けることができませんので、確定申告で差額を精算することになります。

 年調減税についての詳細は、令和6年9月頃に国税庁から情報発信される予定となっておりますので、そちらをお待ちください。


 所得税の定額減税についてご紹介しましたが、この記事では説明しきれないことも多くありますので、もっと詳しく知りたい方は、国税庁「定額減税Q&A」をご覧ください。


国税庁「令和6年度所得税の定額減税Q&A」

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/0024001-021.pdf

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★ 定額減税 住民税の取り扱い

 この記事では定額減税の住民税について書かせていただきます。

 

・定額減税(住民税)の対応方法

〇対象者

 令和6年度1月1日時点、国内在住で令和5年の合計所得金額が1,805万円以下の個人

 ※以下の人は対象外となります。

  ・個人住民税非課税世帯

  ・年収が2,000万円超の方

  ・税額控除により所得割額が0円の方

 

〇算出方法

 令和6年度分の個人住民税では、本人、控除対象配偶者及び扶養親族1人につき1万円を乗じた金額を所得割額から控除します。

 住民税は令和5年分の状況をもとに減税される為、令和6年における控除対象配偶者以外の同一生計配偶者にかかる1万円の減税については令和7年分で実施されます。

※上記のものについては国内に住所を有するものに限られます。


〇支給方法

 令和6年6月の住民税は特別徴収されません。

 令和6年7月~令和7年5月までは減税額を差し引いた金額で特別徴収されます。

 減税額は住民税決定通知書で通知されます。決定通知書の減税額には本人と扶養親族分が含まれていますのでご確認ください。

 また最初の1月分は控除されずに残りの11か月で年額を割るため、給与の控除額(1月当たりの住民税)が以前と比較して増える方も出てきます。事前に従業員への周知をお願いします。


〇事前準備

 ・「源泉徴収に係る定額減税のための申告書」の提示・回収

 ・住民税額の把握(管理)、システム入力

 ・手取り額の増減に関する従業員への周知


 ここに記したのは基本的な内容になっております。個別案件で疑問等でてくるかと思います。

 下記総務省HPをご覧ください。

https://www.soumu.go.jp/main_content/000926356.pdf

                                               4月号のトップへ ]

★ 経理担当者必見!事前準備はこれだ!


 6月支給分の給与、または賞与から減税を行う定額厳正について不安を抱かれている給与計算担当者の方も多いのではないでしょうか。ここからは、定額減税制度を迎えるにあたり、事前に準備すること、事務手続きについて触れていきます。


〇扶養の数は正しいですか?

 定額減税においては、源泉徴収税額の甲欄が適用される居住者に対して今月上旬を目途に「源泉徴収に係る定額減税のための申告書」を印刷し、従業員へ配布し、扶養等に誤りがないか確認を受け書類を回収します。この定額減税のための申告書を基に定額減税の計算をすることになります。必ず配布し、速やかに回収をしましょう。


〇各人の控除事績簿を準備

 給与計算担当者は、どの従業員にいくらの減税額があり、それがいくら残っているかを把握しておく必要があります。各人の事績簿を作成しておき管理することをおすすめします。


〇給与計算時の注意点

 非居住者である同一生計配偶者や非居住者である扶養親族を月次減税額の計算に含めることがないように注意する必要があります。


〇給与明細書への記載が必要です

 給与計算ソフトを利用して給与計算を行う事業所が多いと想像しますが、各人に配布する給与明細に月次減税額のうち実際に控除した金額を記載する必要があります。

    例:源泉徴収時所得税減税控除済額○○円

 TKC給与計算システムでは6月3日に書式対応のアップデートが実施されます。


〇年末調整時にも定額減税が影響します

 6月2日以降に入社した方、扶養の数に変更があった場合などは12月の年末調整時に処理を行う必要があります。入社した翌月や扶養の数が変更した翌月から定額減税額の計算をする等はありません。給与計算担当者はこの点にご留意ください。また、該当の従業員対して年末調整時に定額減税の計算を行う旨をお伝えください。


 TKCの給与計算システムをご利用いただいている皆様におかれましては、源泉徴収に係る定額減税のための申告書の印刷が4月末頃、PXまいポータルの使用は、5月中旬を目途で入力可能になる予定です。また6月支給の給与計算については5月中旬目途で制度に則した自動計算処理が行えるようアップデートが行われる予定です。

 TKC給与計算システムは法改正等に完全に対応します。まだご利用されていない皆様も、この定額減税を機にぜひTKC給与計算システムの利用をご検討ください。

                                                                                                                                                                  [ 4月号のトップへ ]

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令和6年(2024年)3月1日号

★ 贈与税の申告期限・納付方法について

 今月号の記事にもありますが、所得税の確定申告の期限が3月15日までであることは皆様ご存知だと思います。では、贈与税についてはご存知でしょうか?所得税とは異なり、馴染みのない税目かもしれませんが、知っておいて損はありませんのでぜひご一読ください。


<贈与税の申告が必要な場合>

 贈与税の申告は、贈与を受けた人が、贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までにすることになっています。ただし、贈与を受けた金額が110万円以下の場合は、原則、贈与税の申告は不要になりますが、過去に贈与を受けた際に特例を適用している場合はこの限りではありませんので、注意が必要です。


<贈与税の納付について>

 納付については、申告と同様で2月1日から3月15日までの納付が必要になります。注意していただきたい点として、所得税には「振替納税」という制度があるため、納付は後日に口座振替により行うことも可能です。しかし、贈与税には「振替納税」という制度がありませんので、期日までに銀行窓口か税務署で納付を完了させる必要があります。一度に納付が困難な場合には「延納」という制度もありますが、手続や利子税が必要になるため、利用する場合には注意が必要です。


 最後に、贈与に関する税法も毎年ではありませんが、改正が行われています。そのため、以前とは取り扱いが変わっているものもありますので、気になることがあれば確認をしておくことをお勧めします。


国税庁HPにも詳しく載っていますので、ご一読ください。

<国税庁HP>

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4429.htm

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★ 地震保険の特徴と必要性について

 今年1月1日の地震のニュース、最大震度7の揺れもさることながら元旦にこんなことが起きるのだと改めて身震いする思いでした。

被害状況が伝えられていくうちに被災者の方々の身の安全を祈りつつ、自分の生活している地域だったら、自分自身や家族を守る対策や生活再建の準備が十分できているかと改めて不安に思ったことを思い出しました。


 生活再建となるとまず保険について補償がどの程度になるかを考えられる方がおられるのではないでしょうか。ご承知の方も多いと思いますが、火災保険は、火災や自然災害(台風、大雨、大雪、洪水、土砂災害等)等で損害を受けた建物や家財の補償です。火災保険では地震や噴火、それらによる津波を原因とする「居住用建物」や「家財」の損害(火災・損壊・埋没・流出等)を補償することができません。


 地震保険は単独では加入できないので火災保険と一緒に加入し、地震保険の契約金額は、火災保険の30~50%の範囲内で決めることができます。この範囲内の保険金だけでは必ずしも損害のすべてを補償することはできませんが、被災後の生活再建に大きな役割を果たすのではないでしょうか。


 地震保険の加入率は、火災保険加入者の全国平均約69.0%で、世帯加入率は34.6%(2021年)となっています。今後30年以内に震度5強以上の揺れに見舞われる確率が80%以上の地域は全国各地に多数存在しますし、ひとたび地震が発生すると甚大な被害がおよびます。ぜひハザードマップでご自身やご家族のお住いの地域の危険度を確認してみてください。


 近年、被害状況の大きな地震が頻発し、復興に長期の時間も要します。すでに地震保険に加入しておられる方も含め、地震保険について補償範囲、補償内容について確認し、必要の是非も含め、いま一度「地震」への備えについて確認しておかれてはいかがでしょうか。

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★ 新しいNISAがはじまりました

 今年から新しいNISAが導入されました。新しいNISAでは、非課税保有期間の無期限化、非課税保有限度額の引き上げ、口座開設期間の恒久化といった制度改正が行われています。今回の制度改正をきっかけに、新しいNISAに興味を持たれた方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、本記事では新しいNISAで変更された点について詳しく解説します。少しでも興味を持たれている方はぜひご一読ください。


変更点1.つみたて投資枠と成長投資枠の併用

 これまでは、一般NISAとつみたてNISAの2つに分かれており、どちらか一方を選択する必要がありましたが、新しいNISAではこれらの併用が可能となります。これまでは自分に合った方を一方しか選択できませんでしたが、新しいNISAでは併用しての運用が可能となっているため、より自由度が高くなりました。なお、新制度では一般NISAが成長投資枠、つみたてNISAがつみたて投資枠へと引き継がれています。


変更点2.非課税保有期間の無期限化

 配当、値上がりによる売却益等にかかる所得税が非課税となる非課税保有期間は、これまでは一般NISAが5年、つみたてNISAが20年となっていました。新しいNISAでは成長投資枠、つみたて投資枠ともに非課税保有期間は無期限となりました。


変更点3.年間投資枠拡大

 これまでは年間に投資可能な金額は一般NISAで120万円、つみたてNISAで40万円となっていました。新しいNISAでは、つみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円まで引き上げられています。従前は一般NISAを選択しての年間120万円が上限でしたが、新しいNISAでは両枠を最大限利用することで、年間360万円まで投資することができるようになりました。


変更点4.口座開設期間の恒久化

 新しいNISAでは口座の開設期間が恒久化され、いつでも開始することができるようになりました。NISAを開始するか迷っておられる方も、制度についてしっかり調べてからでも遅くないということになります。ただ、金融庁の資料には長期投資の方が効果が大きく始めるなら早い方が良いと書かれているため、そこも踏まえて検討していただけたらと思います。


 新しいNISAでは、投資を始めやすい改正が行われています。ニュースでよく見るように、少子高齢化により受け取れる年金の額が年々減少傾向にあります。投資による自己運用も必要な時代と言われていますので、制度の利用を検討してみてください。


新しいNISAについてより詳しく知りたい方はこちらのサイトをご覧ください。

https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/nisa2024/index.html

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令和6年(2024年)2月1日号

シリーズ~入島税ってご存知ですか?

 地方自治体独自の税金が2023年10月1日より新たにスタートしました。その名も「宮島訪問税」。お隣の広島県廿日市市が制定した税金で、観光名所として名高い宮島を訪れる観光客に対して課税する税金です。


 これまでも「入湯税」や「宿泊税」などの税金の存在は知られていますが、今回の入島税は全国初の試みとなるようです。


 宮島訪問税は、1回の訪問につき100円を徴収する事としています。フェリー乗り場で乗船券購入時に、乗船代金とともに入島税が課税され支払いを行います。また、1人500円を納付する事で年間パスポートのようになる支払方法もあるようです。こちらは市役所か市の公式LINEで事前手続きを行うことで証明書が発行されます。


 課税対象は「船舶で宮島を訪問するすべての方」となっていますが、未就学児や修学旅行生とその引率者、障害者手帳交付者は対象外となります。また、宮島に居住する住人や宮島に通勤する人、宮島に通学する学生も対象外となっています。


 税金の活用方法として、宮島訪問者の受入環境整備費や文化財や歴史的建造物の保存、島内無償ウォーターサーバーの設置などに充てられることになります。


 宮島を訪れる観光客に対して課税する宮島訪問税、100円増とはなりますが、観光客のための整備などに充てられるのではあれば、非常に有意義な税金となるのではないでしょうか。この記事を読まれた皆様もぜひ、訪問税が導入された宮島に観光に行ってみませんか?


廿日市市ホームページ(宮島を訪問される皆さまへ)

https://www.city.hatsukaichi.hiroshima.jp/soshiki/110/98479.html

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★ インボイス制度開始後の棚卸資産の評価

  最終仕入れ先が免税事業者等の場合は期末棚卸の評価の留意点についてご紹介します。

 

 令和5年10月1日以後の事業年度において、税抜経理方式を採用かつ棚卸の評価方法に「最終仕入原価法」を採用している事業者は期末の在庫分の仕入れに係る仕入れ先からのインボイスの有無について確認する必要があります。

 インボイス発行事業者からの仕入れの場合はインボイス制度導入以前の処理と変わりませんが、免税事業者等からの仕入れの場合は棚卸の評価に消費税額等を考慮した計算を行うこととなります。


 評価は単価に消費税額等とみなされない額を加算し計算を行います。令和5年10月1日~3年間は経過措置により仕入税額相当額の80%(令和8年10月1日~3年間は50%)を消費税額としての控除の適用が可能なため、その消費税額分を控除した額を、消費税額等とみなされない額として加算します。つまり100円の単価だったものが、102円の単価になるということです。

 上記の計算により算出された税務上の単価に在庫数を乗じた金額が棚卸資産の評価額となります。

 仕入れの単価に在庫数を乗じて計算すると誤りとなりますので、税務上の単価を算出した後に在庫数を乗じて計算します。


 なお、免税事業者である仕入れ先が、期中にインボイス発行事業者となった場合はすべての在庫においてインボイス発行事業者からの仕入れとして棚卸の評価を行うこととなります。

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★ ETC利用証明書 インボイスと電子帳簿保存法における対応

 電子帳簿保存法の改正により令和5年12月31日をもって宥恕措置が廃止され、電子取引データは原則電子での保存が必要となりました。

 この電子帳簿保存法改正に加え、昨年の10月からはインボイス制度が開始しており、経理担当の方を中心に対応に追われていた事と思います。

 立て続けに制度改正が行われたため、インボイス制度と電子帳簿保存法を混同してしまうケースもあるかと思います。今回の記事では、戸惑いやすいETC利用証明書の保存方法について解説します。実務で出てきた際に混乱しないためにも、本記事を参考にしていただけたらと思います。


1.ETC利用証明書のインボイス制度における対応

 まずはインボイス制度におけるETCカードの対応についておさらいします。ETCクレジットカードをご利用の場合、ETC利用照会サービスに登録することで「利用証明書」をダウンロードできます。

 この利用証明書がインボイスとなるわけですが、利用するたびにダウンロードする必要はなく、利用した高速道路会社ごとに1回のみダウンロード、保存すればよいことになっています。それ以降は、クレジットカード利用明細書を保存すれば、仕入れ税額控除を受けることができます。

 ETC利用照会サービスの登録方法についてはこちらをご覧ください。

https://www.etc-meisai.jp/


2.電子帳簿保存法における対応

 利用証明書は電子取引データに該当するため、電子データでの保存が必要となりますが、こちらについてはダウンロードしたもののみを電子保存すればよいことになっています。

 仕入税額控除を受けるためにダウンロードした利用証明書のみを適正に電子保存することでインボイス制度、電子帳簿保存法の要求を満たすことができます。

 

 二大法改正に対応しなければならないため、大変な時期ではあると思いますが、もし不明な点があれば監査担当者まで気軽に聞いていただけたらと思います。

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令和5年分の確定申告の留意点

 みなさん、こんにちは。年が明けて早いものでもう1ヶ月が経ってしまいました。2月というと毎年のことではありますが、確定申告の時期になります。5年分確定申告での留意点を研修にて聞いてきましたので、みなさんにお知らせしようと思います。

 今年は全ての納税者に影響する大きな税制改正はありません。


〇 申告会場

 ・設置期間:令和6年2月16日~4月1日

 ・申告受付時間:午前8時30分~午後4時

    相談時間:午前9時00分~午後5時

※ 申告会場に入場するためには入場整理券が必要になりますので、オンラインでの事前発行か、当日申告会場で配布があるので整理券を取って入場してください。


〇 提出、納税等

 ・所得税法定納期限:令和6年3月15日

     振替納付日:令和6年4月23日

       延納分:令和6年5月31日

 ・消費税法定納期限:令和6年4月01日

     振替納付日:令和6年4月30日

 ・贈与税法定納期限:令和6年3月15日

※ 消費税及び地方消費税と贈与税については延納制度はありません。

  贈与税は、口座振替による納付はできません。


〇 振替納税について

 確定申告会場の混雑が予想されますので、振替納税が推奨されています。今期はインボイス制度が開始され、免税事業者から課税事業者になられた方もおられるかと思います。

 今まで所得税の振替納税をご利用で消費税も振替納税が一緒にできると思われるかもしれませんが、振替納税は税目ごとでの申請が必要です。そのため所得税、消費税ともに振替納税を希望の方は、消費税分として改めて預貯金口座振替依頼書を提出する必要がありますのでご注意ください。また申請についてはオンラインでも可能ですので国税庁ホームページをご参照ください。

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令和6年(2024年)1月5日号

★ 新年のごあいさつ

 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。旧年中は、格別のご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。

 昨年はインボイス制度の導入により事業者の皆様の環境が大きく変わった年となりました。

2024年は宥恕措置となっていた電子帳簿保存法や賃上げなどまだまだ目まぐるしく事業者の皆様を取り巻く環境が変化していくものと思われます。そのような状況下、本年の弊所行動目標は「共存同栄」としました。環境が変化していく中、所長・スタッフ一丸となって関与先企業様・地域企業様の発展のためしっかりご支援を行って参る所存でございます。

 皆様のご健康とご多幸を心から祈念致しまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

 本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

 最後に、本年も、メールマガジンをより一層良いものにして皆様にお届けいたしたく、スタッフ一同意気込んでおります。引き続きのご愛読のほど、重ねてお願い申し上げます。


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★ シリーズ~ 令和6年度税制改正速報

 令和5年12月14日に令和6年度税制改正大綱が閣議決定されました。

主な事項は以下の通りです。


個人所得課税

・定額減税の実施(所得税・個人住民税)

・子育て世帯等に対する税制支援の拡充(住宅ローン控除・生命保険料控除等)

・ストックオプション税制の見直し

・国民健康保険税の減額対象要件の見直し


資産課税

・土地の固定資産税負担調整措置の延長

・住宅取得等資金贈与の非課税措置の見直し


法人課税

・賃上げ促進税制における繰越控除制度の創設

・交際費から除外される飲食費の金額引き上げ(1人当たり5千円→1万円)

・圧縮記帳における国庫補助金等の範囲の拡充

・中小企業経営強化税制における対象資産の範囲見直し


消費課税

・事業者免税点制度の見直し

・プラットフォーム課税の導入


 上記以外にも様々な改正が行われます。改正内容を確認し、早めに対応していただけたらと思います。


 詳細についてはこちらをご確認ください。

https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/index.html

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★ 仕入税額控除:仕入明細書の注意点

 インボイス制度が始まり3か月が経過し、色々悩みながら実務に向き合っておられることも多いと思います。

 今回は仕入明細書について注意すべき点をご説明します。

   

 通常、売った方が発行する請求書ですが、買った方が仕入れた明細(仕入明細書)を発行して取引書類とする場合があります。

 仕入税額控除のために保存する請求書等の中には、この仕入明細書も含まれます。

 仕入明細書は買い手がインボイスに必要な取引内容、取引金額、消費税額等の一定事項を記載し、仕入れ先の確認を受けることで適格請求書となり仕入税額控除を受けることができますので、仕入明細書に誤りがある場合は、発行した買い手が修正し、仕入れ先に再度確認を受ける必要があります。

 しかし、仕入明細書を発行する相手先ごとに、発行の都度確認を受けるのは場合によっては大変な事務作業と想像できます。

 確認を受ける方法はFAX、メール等での確認が考えられますが、「送付後、一定期間内にご連絡がない場合は確認済みとします」という相手の確認を受けたことを示す文言を仕入明細書にあらかじめ記載して、連絡がなければ確認を受けたこととする方法も可能ですので、状況に応じて確認方法を選択されてはいかがでしょうか。

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★ 源泉徴収~報酬料金の旅費等

 年が明けて、給与所得の源泉徴収についての確認もひと段落ついた頃でしょうか?今号では源泉徴収の中でも、報酬料金の旅費等についてご紹介します。

 源泉徴収義務のある法人等が弁護士やセミナーの講師等に報酬を支払った場合、源泉徴収を行い納税する必要がありますが、この報酬とともに支払った旅費等についても源泉徴収の対象となります。


ポイント1.名目が「報酬」ではなく「交通費」、「宿泊費」等であっても、報酬と同じ性質を有するものは源泉徴収をする必要があります。(所基通204-2)


ポイント2.源泉徴収の対象とならない場合もあります。報酬の支払者が直接、交通機関や宿泊施設等に支払い、かつ、その金額がその費用として通常必要と認められる範囲内のものであるときは、源泉徴収をしなくても差し支えないとされています。(所基通204-4)

 交通費を直接、交通機関へ支払えない場合等で、講師等に旅費のみを支払う場合には源泉徴収が必要となります。


 以上のように、役員や従業員に交通費を支払う場合には要件はありますが、所得税が非課税となり、講師等に支払う場合は取り扱いが異なりますので注意が必要です。支払う名目にかかわらず、報酬の性質を有する場合は源泉徴収が必要となります。また、利用交通機関への支払が報酬支払者により直接支行われるか否かによっても取り扱いが異なる点についてもご注意ください。

 

(参考)

国税庁HP

所得税基本通達

https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/36/01.htm

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過去の記事

過去の記事を以下に掲載しています。(PDFにてダウンロード可)

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