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令和5年(2023年)6月1日号

★ シリーズ~ 税制改正 インボイス制度2割特例

 先日行われたWBCでは日本中が野球に熱中しました。野球では、よく3割打てば一流のバッターと言われます。さて、今回はそんな割合にちなんだ税制改正をご紹介します。

 それがインボイス制度の2割特例です。2割バッターは少し寂しく感じますが、事業者の方にとって2割特例は嬉しい内容となっていますので、ぜひご一読ください。


1.2割特例の概要 

 2割特例とは、名前の通り消費税の納税額が売上税額の2割に軽減される特例措置です。国税庁の『令和5年4月インボイス制度に関する改正について』のリーフレットには「仕入税額控除の金額を、特別控除税額(課税標準である金額の合計額に対する消費税額から売上に係る対価の返還等の金額に係る消費税額の合計額を控除した残額の100分の80に相当する金額)とすることができる」と記載されています。

 例えば売上に係る消費税額が100万円、仕入控除税額が60万円の場合だと消費税の納税額は


本則課税・・・100-60=40万円

2割特例・・・100ー(100×80%)=20万円


となり、2割特例を適用することで消費税の納税負担を減らすことができます。 

 適用可能期間は令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日の属する各課税期間となっています。


2.適用可能事業者

 この制度が適用できるのは、免税事業者からインボイス発行事業者になった事業者です。資本金1000万円以上の新設法人等のインボイス制度とは関係なく免税事業者から課税事業者になった場合やインボイス制度を機に課税事業者になったとしても課税期間の短縮を行っている場合にはこの制度の適用を受けることできませんので注意が必要です。


3.制度の適用方法

 2割特例を適用するために届出等は必要なく、申告時に選択すればよいことになっています。

 また、簡易課税制度選択届出書を提出している場合でも取り下げの届出を提出する必要はなく、申告時に選択するだけで適用が可能です。あくまでも選択制であるため、有利な方で申告することが可能です。


 2割特例は税額の計算方法が簡単で、手続等も必要ありません。消費税負担を軽減できる制度となっていますので、ぜひ活用なさってください。

 

 制度についての詳細な情報はこちらをご覧ください。

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/kaisei/202304/01.htm

 

 参照 国税庁『令和5年4月インボイス制度に関する改正について』

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/kaisei/202304/pdf/0023002-106.pdf

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★ 鉄道料金等のインボイス対応はどうなるの?

 コロナによる外出自粛も緩和されているなか、遠方へ出張に行く機会が増えているのではないでしょうか。今回は新幹線等を含む鉄道料金に係るインボイス交付等の対応についてお伝えします。


 令和5年10月1日からインボイス制度が開始され、買い手が仕入税額控除の適用を受けるためには帳簿のほか、売り手から交付を受けた「適格請求書」等の保存が必要となりますが、3万円未満の公共交通機関(船舶、バス又は鉄道)による旅客の運送については、帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められ、適格請求書の交付義務が免除となる扱いとなります。これを、公共交通機関特例といいます。


 この3万円未満の公共交通機関による旅客の運送かどうかは、1回の取引金額が3万円未満かどうかで判定します。

 令和5年3月27日発行の週刊税務通信の記事のなかでJR東日本の対応が記載されていましたのでご紹介します。

 JR東日本では駅での作業効率を考慮し、自動券売機・指定席券売機で購入する乗車券や特急券は券面金額にかかわらず、その自動券売機・指定席券売機や有人窓口において、利用者の求めに応じて簡易インボイスの要件を満たす領収書を交付するようです。


 また、特急列車に乗車するために支払う急行、特急料金や寝台料金は旅客の運送に直接的に附帯する対価として公共交通機関特例の対象となります。しかし、入場するために支払う入場料については旅客の運送に直接的に附帯する対価ではありませんので、公共交通機関特例の対象とならず、簡易インボイスが必要となりますのでご注意ください。


 インボイス制度について他にも詳しく知りたいかたは国税庁ホームページをご確認ください。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice.htm

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★ 相続手続きをスマートに

 法定相続情報証明制度をご存知でしょうか。相続手続きの際に必要となる様々な情報を紙1枚にまとめることができるものです。聞いたことがない読者の方々も多いと思いますが、実は制度ができたのは2017年5月になります。

 制度スタート当初は不動産登記手続きのみしか利用できない使い勝手の悪いものでした。制度が成熟し、現在では金融機関口座解約、相続税申告や年金手続きなどにも利用できるようになり汎用性の高いものになっています。今回は、法定相続情報証明制度の概要をお伝えします。


 法定相続情報証明制度は、先に記載したように相続が発生した際に使用します。相続人全員分の本籍や住所など一定の情報を法務局に提出することで、法定相続情報の一覧図の写しを発行してもらうことができます。

 こちらの写しを用いることで、各種手続きを行うことができ、事あるごとに戸籍謄本等を用意しなくて済むようになります。この一覧図はA4用紙1枚にまとめられ、5年以内であれば、法務局にて何度でも発行ができます。また、発行手数料がかからない点も有難いです。

 

法定相続情報一覧図の作成にあたり準備するものをご紹介いたします。

・被相続人の出生から死亡までの戸除籍謄本

・被相続人の住民票の除票

・相続人全員の戸籍抄本

・申出人の住所・氏名を確認できる公的書類

・一覧図に住所を記載する場合は各相続人の住民票が必要

・委任による代理人が申出手続きを行う際は、委任状が必要

 これらを準備し、申出人ご自身で一覧図の作成を行い、法務局へ持ち込む必要があります。一覧図作成時に困るのが決まった様式がないことです。少しハードルが高いですが、法定相続情報証明制度を使用することで相続手続きが確実にスマートになります。例えば複数の金融機関に口座がある場合などには各金融機関ごとに戸籍謄本等を提供する必要があるため、制度を利用し一覧図の写しを使用するのがおすすめです。


 制度の詳細、一覧図の書式については、法務局ホームページをご覧ください。法定相続情報一覧図の様式及び記載例が掲示されているページもあります。そちらを参考にして一覧図作成を行うのが良いかもしれません。相続手続きがスマートにそしてスムーズになる法定相続情報証明制度をこの機会に知っていただき、必要になった際にはぜひご利用ください。


「法定相続情報証明制度」について‐法務局‐法務省

https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000013.html

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★ FXシリーズ「証憑保存機能」のご紹介

 みなさん、10月1日から導入される消費税インボイス制度への対応に忙しくされていることと思いますが、改正電子帳簿保存法への対応は進んでおられますか?電子取引データの保存の宥恕規定は令和5年12月31日に終了します。令和6年1月1日からは保存要件に従った電子取引データの保存が義務となるため、対応が必須です。


 データを保存するにあたっては、真実性、保存期間、検索性、可視性などの保存要件が求められます。FXシリーズ証憑保存機能」は、電子取引の保存の法的要件を満たしたソフトウェアです。


1.メール等で受け取った請求書等のPDF、画面ハードコピーなどの画像ファイルをFXシリーズに読み込むことで電子取引データとして保存できます。

2.ファイリング不要!TKCデータセンターで保存されます。

3.読み込んだデータはFXシリーズと連携することができます。


 「証憑保存機能」の導入は初期設定が必要となりますで、導入をご希望の方は監査担当者へお問合せください。

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令和5年(2023年)5月1日号

★ シリーズ~ 税制改正 相続、贈与税に係る改正ポイント

 令和5年度の税制改正では相続税、贈与税に関して影響の大きい項目の改正がありました。改正内容について確認してみましょう。


1.生前贈与加算が3年から7年に延長

 相続、遺贈等により財産を取得した者が相続税の申告をする場合に、その被相続人から相続開始前3年以内の期間に贈与を受けた財産はその相続税の課税対象とされていましたが、令和6年1月1日以後の生前贈与から、その期間を相続開始前7年以内に延長することとなります。

 また経過措置として、同日以後の相続税の課税対象となる生前贈与財産のうち、延長された4年間(最長令和12年中)に受けた贈与財産価額のうち総額100万円までは相続財産への加算はありません。


2.相続時精算課税制度の見直し

 令和6年1月1日以後に贈与を受ける財産から、2,500万円の特別控除とは別に基礎控除110万円の控除が創設されます。

 これまでは贈与税申告時に相続時精算課税制度を選択した場合、課税価額が累計2,500万円に達するまで贈与税が課税されませんが、暦年課税(基礎控除110万円)による申告はできません。

 今回の見直しでは、相続時精算課税制度の選択後も毎年110万円を控除することが可能となり、その控除した基礎控除部分を相続税の課税対象外とすることとなります。

 また、この制度の適用を受けた土地や建物が災害等(令和6年1月1日以後に受ける被害)を受けた場合、相続税の課税対象とする財産の価額を贈与時点の課税価額から被害を受けた損失の金額を控除する措置が講じられます。

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★ ふるさと納税の基本とメリットとは

 ふるさと納税について、皆さんの中にはしている方とよくわからないからしていない方、理解しているけどしていない方等、色々な方がおられると思います。

 今回はふるさと納税について基本とメリットについてお伝えしたいと思います。


 ふるさと納税とは、2008年(平成20年)の5月から制度がスタートしたもので、ちょうど15年が経過しました。本来は自分が住んでいる自治体に収めるはずの税金を、自分で決めた自治体(都道府県や市区町村)に寄付をすることで住民税や所得税が控除される制度です。

 所得税では所得控除が、住民税では税額控除が適用され、控除を受けられる上限は納税額によって異なりますが、寄付金から2,000円を引いた金額となります。

 

 そしてふるさと納税のメリットといえば、寄付した自治体からの返礼品で、各自治体からの寄付金額の3割以内に相当する返礼品を受け取ることができる点ではないでしょうか。

 ふるさと納税について一時期、高額な返礼品のことがニュースで取り上げられる機会が多かったことから、ふるさと納税をするメリットは返礼品が受け取れるだけと思われている方がおられるかもしれませんので、以下に事例をあげてみます。


 例えばいくつかの自治体へ合計5万円寄付した場合

1.住民税から控除される税額

 50,000円-2,000円で48,000円

2.所得税

 48,000円が所得控除され納税額が軽減されます

3.15,000円相当の返礼品を受け取ることができます

4.ふるさと納税はクレジットカードでも支払いができますから、その場合クレジットカードのポイントが付きます


 ふるさと納税の注意点は、年収や家族構成、その他の控除額によりふるさと納税で控除される上限額が変わる点です。また、所得税や住民税がかからない人も、支援をしたり興味をもたれた自治体への寄付は出来ますし返礼品も受け取れますが、税額控除等がありませんのでご注意ください。

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★ 経営者が会社を発展させる~変動損益計算書の大事な役割

  「変動損益計算書」というものをご存知でしょうか?税務申告等で使用する決算書の中には損益計算書というものがありますが、損益計算書をある条件により組み替えたものを変動損益計算書と言います。

 では変動損益計算書からはどのような情報が読めるかをご説明します。今回お話しする内容は基本的なことではありますが、経営判断をする上では非常に重要なことになりますので、ぜひご一読ください。


<それぞれの損益計算書の違い>

・損益計算書…「売上高」から始まり、「売上原価」「販売費及び一般管理費」「営業外収益」「営業外費用」から、経常利益を算出します。


・変動損益計算書…「売上高」から始まるのは同じですが、「変動費」「固定費」から経常利益を算出します。


<変動費と固定費の区分>

 費用項目は中身(性質)をしっかり把握したうえで区分をする必要があります。誤った区分をすると、正しい分析は行えません。なお、一つの科目の中に、変動費と固定費が混在していることもあります。

・変動費…売上高の増減に伴って変動する費用(材料仕入高・消耗品費等)

→売上高が2倍になれば、変動費も2倍になります

・固定費…売上高の増減に影響されない費用(人件費や支払家賃等)

→売上高が2倍になっても、固定費は変わらない


<変動損益計算書から読めること>

1.損益分岐点売上高

 損益分岐点とは利益が0円になる状態です。0円を目指して経営をすることはないでしょうが、売上高がいくらあれば、元がとれるかということがわかります。次の計算式で求めます。

・損益分岐点売上高=固定費÷限界利益率

※限界利益=売上高-変動費

 限界利益率=限界利益÷売上高


2.目標利益に必要な売上高

 目標利益額を達成するためには売上高がいくらあればよいかということがわかります。損益分岐点売上高を達成したあとのステップになります。次の計算式で求めます。

・目標利益達成必要売上高=(固定費+目標経常利益)/限界利益率


 上記は一例ですが、上手く活用することで利益確保に向けてどの部分に力をいれるかを把握しやすくなります。利益とは、収益-費用です。

 利益を出すには「収益を増やす」か「費用を減らす」必要があります。費用とは、変動費+固定費です。「変動費を減らす」か「固定費を減らす」必要があります。固定費(広告費や人員)を使って収益を増加することも考えられます。


 最後に、大事なことは変動損益計算書を作成することではなく、活用することです。また、事前計画では黒字であっても、現実には赤字になることもあります。

 黒字であっても赤字であっても、なぜこの結果になったかを正しく分析し、次に活かすことが一番大事です。利益を確保することは企業が存続するうえでは非常に重要なことです。

 地域や従業員の為にも経営者は「戦略家」として限界利益を確保し、「管理者」として経常利益を確保する必要があります。今回の内容をきっかけに、ぜひ自社の分析を行い、経営に活用してください。

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★ スタートアップ創出促進保証制度導入 行動起こす前に確認を!

 創業や分社化にあたり経営者の個人保証が不要となる新たな信用保証制度が令和5年3月15日から導入されました。起業家や創業者のおよそ8割が失敗時に借金や個人保証を抱えることを懸念されています。

 そうした不安要素を取り除き、起業・創業の促進につながるように創設された制度がスタートアップ創出促進保証制度となります。こちらの制度は経営者の個人資産を担保にしなくても最長10年間にわたり3500万円まで保証を受けられるようになります。利用対象者は以下の通りです。

<利用対象者>

〇創業予定者(これから法人を設立し、事業を開始する具体的な計画がある者)

〇分社化予定者(中小企業にあたる会社で事業を継続しつつ、新たに会社を設立する具体的な計画がある者)

〇創業後5年未満の法人

〇分社化後5年未満の法人

〇創業後5年未満の法人成り企業


 利用にあたって創業計画書の提出や一定の自己資金を有していることの証明が求められます。また会社設立後3年後と5年後のタイミングで中小企業活性化協議会による「ガバナンス体制の整備に関するチェックシート」に基づく確認や助言を受ける必要もあります。こちらのチェックシートの詳細は決まり次第公表される予定となっています。

導入に先立ち、信用

保証協会が令和5年2月20日から事前相談受付を開始しておりますので、気になる方は相談してみてはいかがでしょうか。

スタートアップ創出促進保証制度の概要についてはこちらをご確認ください。

https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/2023/230220startup.html


また、この制度は「経営者保証改革プログラム」の施策の1つで、このプログラムには金融機関に対する監督ルールの強化や上乗せ保証料の支払により既存の経営者保証を解除できる新ルールの導入が予定されています。

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令和5年(2023年)4月3日号

★ シリーズ~ 税制改正 NISAが利用しやすくなります

 今回のメルマガより、シリーズとして税制改正の内容をご紹介します。

 第1回目はNISAの拡充と恒久化について、どのように利用しやすくなったかご説明します。


 NISAというのは株式や投資信託などの金融商品に投資をした場合、これらを売却して得た利益や配当に対して通常約20%かかる税金が、NISA口座(非課税口座)内で、毎年一定額の範囲内で購入した場合、税金がかからなくなるという制度です。

 これまで「一般NISA」と「積立NISA」に分かれていた仕組みを一本化し制度も恒久化されましたので、今まで非課税期間に5年または20年の期限があった現行のNISAから非課税期間が一生涯続くことになりました。


 年間投資上限額は「つみたて投資枠」が現行のつみたてNISAの3倍の120万円に、新たに設けられる「成長投資枠」では現行の一般NISAの2倍の240万円に増額となり、合計で年間360万円の投資が可能となりましたが、富裕層の有利になることから1,800万円の総額投資上限額(非課税保有限度額)が設けられました。

 また従来のNISAと違う点は、枠を上限まで使い切っても年末までに売却した部分については枠が空くことになり、翌年以降、その非課税枠の再利用が可能となる点です。

 対象年齢も20歳以上から18歳以上に下げられ利用者の幅が広がりました。


 NISAは月100円といった少額でも始められますので、投資を考えておられる方は今のうちからNISA口座を開設されてはいかがでしょうか。


NISAについては以下からご確認いただけます

https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/index.html


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★ あなたは振込派?手渡し派?もしくは・・・デジタル払いは?

 給料日はワクワクしますよね。私は給料日にはスマホの銀行アプリで入金額を確認するのが決まりごとになっています。世の中にスマホ決済、電子決済が浸透しましたが、いよいよ給与受取も電子マネーになる時代が到来します。その名も「デジタル給与」!デジタル給与とは、会社が従業員に対して支払う給与を電子マネーやスマホ決済アプリで支払う方法を言います。

 読者の皆さまが普段利用されている「PayPay」や「d払い」などのスマホ決済アプリに直接給与が入金(正しくはチャージ?)されることになります。

 これまで利用する都度チャージを行っていた人にとっては便利になるのではないでしょうか。この新制度の導入で更にキャッシュレスが進むことになりそうです。


 このデジタル給与を支給する場合は、会社と従業員間で労使協定を締結し、従業員が同意した場合に限って利用ができます。勘違いしやすいのが、会社がデジタル給与を希望する従業員だけをデジタル給与払いに変更するということです。

 決して、全ての従業員が強制的にデジタル給与に移行しなれればならないということではありません。もしも、会社が全従業員に対してデジタル給与払いを強制した場合は、罰則の対象となります。


 万が一、皆さんの給与を送金する資金移動業者が破綻してしまったら、支払われるはずだった電子マネーはどうなるのか。安心してください!保証機関が弁済を行う仕組みができています。

いよいよ4月1日から資金移動業者からの指定申請の受付が開始されました。国が認定する資金移動業者として登録が完了すると、実際にデジタル給与制度がスタートすることになります。


 私個人としては、デジタル給与への移行は慎重になるかもしれません。スマホを紛失してしまった時のリスクが増えることになりますし、いざキャッシュレス決済を行いたくても利用できないお店も数多くありますし。しばらくは銀行振込を継続するかなと考えています。


 皆さんはいかがでしょうか。もしも、お勤めの会社でデジタル給与の希望を募る回覧が回ってきたら・・・更なるキャッシュレスの波に乗り遅れないよう、デジタル給与を検討されてみてはいかがでしょうか。


詳細は下記URLをご参照ください。

厚生労働省資金移動業者の口座への賃金支払(賃金のデジタル払い)

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/shienjigyou/03_00028.html

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★ それ違法かも? 免税事業者との交渉

 制度開始が目前に迫ったインボイス制度ですが、皆さんは免税事業者との取引について考えていますでしょうか。

 インボイス制度が開始すれば、将来的にはインボイスを発行できない免税事業者からの仕入税額控除は一切できなくなります。そこで免税事業者との取引条件の見直しを検討されている方もおられると思います。しかし交渉の仕方によっては違法となる恐れがあるということをご存じでしたでしょうか。

 

 この記事では、インボイス制度下で違法となる可能性があるケースをいくつかご紹介します。知らず知らずのうちに法律に抵触していたとう事態を避けるためにもぜひご一読ください。


1.一方的な取引価格の引き下げ

 免税事業者から仕入税額控除ができなくなることを理由に、取引価格を一方的に引き下げる行為は独占禁止法の「私的独占」にあたり、違法行為とみなされます。

 また、免税事業者である下請け先に対しても、同様の理由で下請け代金の減額を行った場合は下請法違反となる恐れがあります。

 免税事業者との価格交渉では、双方が十分に協議し納得した上であれば法律上問題にはなりません。ただ、いくらの減額までなら大丈夫というはっきりとした基準は示されていないため、免税事業者との価格交渉はかなり慎重に行う必要があります。


2.販売促進費等の負担を求める行為

 免税事業者に対して取引価格を据え置く代わりに販売促進費、協賛金といった名目での金銭の負担を求める行為は、販売促進費等が合理性に欠ける場合には優越的地位の濫用として問題となります。

 また、取引価格を据え置く代わりに契約にない役務の提供やその他経済上の利益の提供を行うように要請することも、同様に優越的地位の濫用にあたり独占禁止法で問題となります。


3.インボイス発行事業者になるよう促す行為

 課税事業者が免税事業者に対して課税事業者になるように要請するケースがありますが、このこと自体は独占禁止法上問題とはなりません。

 しかし、課税事業者になる事を断った場合には取引価格を引き下げる、取引をやめるといったことを一方的に通告した場合には問題となる恐れがあります。


 1から3のケースに共通して言えることは、課税事業者がその地位の優位性を濫用してしまうと法律上問題となるということです。インボイス制度開始を機に行う免税事業者との取引条件見直しの交渉が一方的なものにならないようご注意ください。


今回記事でご紹介したケースのほかにも、法律上問題になるケースがあり

ます。より詳しい内容はこちらをご覧ください。↓

https://www.jftc.go.jp/invoice/index.html

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令和5年(2023年)3月1日号

★ シリーズ~ システム改修費用の取扱い

 令和5年10月1日から開始されるインボイス制度に向けて、様々な準備を進めているかと思います。会計ソフトやレジシステムの改修もその一つですが、システム改修に要した費用はどのような取扱いになるかをご存知でしょうか?

 今回はシステム改修費用の取扱いについてご説明します。


 国税庁HPに「消費税のインボイス制度の実施に伴うシステム修正費用の取扱いについて」という情報が公開されており、次のように掲載されています。

「各システムのプログラムの修正が、現行の請求書等のフォーマットや、現行の税額計算の方法につき、インボイス制度の実施に伴い、システムに従来備わっていた機能の効用を維持するために必要な修正を行うものであることが作業指図書等から明確である場合には、新たな機能の追加、機能の向上等に該当せず、これらの修正に要する費用は修繕費として取り扱われることとなります。」


 上記はインボイス制度についての記載ですが、インボイス制度以外の改修費用でも同様の取扱いになります。例えば、紙幣や貨幣が新しくなった際にレジシステムの改修が必要になりますが、この改修費用も同様になります。


 簡潔に言えば、ポイントは2点あります。

・システムに従来備わっていた「機能の効用を維持」するために必要な修正

・修正内容が作業指図書等で明確にされている

 2点を満たしていれば「修繕費」となります。しかし、この2点を満たしていても、新たな機能の追加・向上等に該当する修正が含まれていると、修正に要した金額を「修繕費」と「資本的支出」を区分して処理する必要があります。

 どちらにしてもどのような修正を行ったかを明確にしておくことが重要になります。区分が出来ない場合、全額を「資本的支出」にするしかない場合も考えられますので、必ず確認をお願いします。


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★ ふるさと納税の返戻品の収入計上時期について

 確定申告の時期を迎えましたが手続きは進んでおられますでしょうか?

 今号ではふるさと納税の返戻品の収入計上時期について確認してみましょう。


 個人が受け取ったふるさと納税の返戻品は所得税の課税対象となり、一時所得として取り扱われます。確定申告を行う場合、年末付近で行われたふるさと納税の返礼品の課税時期について注意が必要となります。


 所得税基本通達36-13では「一時所得の総収入金額の収入すべき時期は、その支払いを受けた日によるものとする。ただし、その支払いを受けるべき金額がその日前に支払者から通知されているものについては当該通知を受けた日とする」とされています。

 

 よってふるさと納税を行った日ではなく返戻品が住所地に到着した日(発送通知日)が課税時期となります。

 年末付近でふるさと納税を行われた方で返礼品の受け取りが翌年となった場合の収入計上時期は翌年となり、翌年の一時所得の計算に加え課税関係が生じた場合は確定申告を行うこととなります。

  

(参考)

国税庁~ ふるさと納税の返礼品の収入計上時期

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★ 機械装置と器具備品の違いはなに?解説します!

 結論から申し上げると、機械装置や器具備品の定義について、法令上の明確な定義は存在しません。ですが、租税特別措置においては優遇税制の適用対象資産の区分として規定される場合があり、その判断によって争訟となる事案が生じていますので税務上、資産区分は重要な判断要素となっています。そこで一般的にどのような判断をもって区別しているかをご紹介します。


〇機械装置・・・代表的な例として製造業における製造ラインを構成する設備など

 国税庁では機械装置とは「他の資産と一体となって設備を形成し、当該設備の目的を果たすために、当該設備の一部としてその機能を果たすもの」としています。

 製菓業の生地をまぜる、揚げる、包装などの工程はそれぞれの機械で完結しますが、単体を器具備品として扱うのではなく、お菓子を完成させる目的のために構成された製造ラインとなるのでこれら一体の設備は機械装置となります。


〇器具備品・・・事業活動に使用される小規模な資産など

 国税庁では機械装置に該当しない資産は構造が複雑な機器等であっても器具備品になるとしています。


 このように規模、機能、用途、使用場所、取得価額等に照らして実態を見て判断されているようです。

 

 「機械装置」と「器具備品」の違いについて安易に判断してしまうと本来の耐用年数と異なる場合があり、正しい減価償却額になりませんのでお気を付けください。

 機械装置か器具備品かの判断が困難である場合は、当事務所の監査担当者に相談するか、国税庁HP「減価償却資産における「機械及び装置」と「器具及び備品」の区分について」をご確認ください。

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令和5年(2023年)2月1日号

★ シリーズ~ インボイスが始まります!準備はお済みですか?

 今年の10月1日から適格請求書発行事業者取引(インボイス取引)が開始されます。昨年12月に閣議決定された令和5年税制改正大綱にて、インボイスの取り扱いについて見直しが検討されています。今回は、財務省のHPに掲載がある情報を少しご紹介いたします。紹介する中で基準期間という言葉が出てきます。基準期間とは、法人であれば2期前、個人事業主であれば2年前を指します。


1.小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置(2割特例)

 免税事業者がインボイス発行事業者を選択した際に、基準期間の課税売上高が1千万円以下の場合、売上に係る消費税額の2割を消費税額として納付する特例が選択できます。こちらは令和5年10月1日から令和8年9月30日までの属する課税期間が対象となります。なお、この特例を適用するために税務署への事前の届出は必要ありません。

 例えばですが、飲食業で課税売上高が800万円の場合、上記特例を適用すると売上に係る消費税額80万円の2割にあたる16万円を消費税額として納税することになります。こちらの特例は簡易課税制度と比較して選択をすることができます。記事の最後にあるURLに詳細説明がありますので、そちらをご参照ください。


2.一定規模以下の事業者に対する事務負担の軽減措置

 基準期間の課税売上高が1億円以下、または特定期間における課税売上高が5千万円以下の事業者に関して、1万円以下の取引についてインボイスの発行、受取が必要なくなります。こちらは、令和5年10月1日から令和11年9月30日までの期間で適用されます。


3.少額な返還インボイスの交付義務の見直し

 1万円以下の値引きに関してのインボイスの発行が必要なくなります。例えばですが、相手先に請求を出す場合、振込手数料の440円をこちら側が負担する=440円は値引きする、ということになります。この際の440円に対するインボイスは不要になります。これにより、インボイス導入前と同様の取引が持続可能になります。こちらに関しては、規模の大きさ、期間の定めはありません。


4.インボイス申請手続き期間の延長

 原則、令和5年3月31日までの申請が必要でしたが、4月1日以降もインボイス発行事業者申請が可能になります。

 

 今回は令和5年の税制改正大綱のインボイスに関する内容をご紹介しました。税制改正に関しては4月以降により詳しくご紹介する予定となっています。いよいよ始まるインボイスについて準備不足がないか、いま一度ご確認をお願いいたします。


財務省 インボイス制度の改正案に関する資料

https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/consumption/invoice/materials.html


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★ 要介護認定と市町村長等の障害者認定について

 所得税や住民税の確定申告をする時期が近づいてきましたが、所得税や住民税の障害者控除対象者の認定について、あまり知られていない部分についてご紹介します。


 障害者控除は所得税法で規定されている税負担軽減特例の1つで、ご本人や扶養親族の障害の程度によって27万円から75万円が所得から控除されます。

 控除対象の要件は原則的に「障害者手帳」等を所有しているかどうかで判断されますが、手帳がなくても65才以上でその障害の程度が「障害者手帳などを持っている知的障害者や身体障害者に準ずる」と市町村長等から認定を受ければ障害者控除の対象になります。


 知的障害者や身体的障害者と記載はありますが、ここに認知症という表現は含まれていない為、認定を受けられる人は程度によるものの認知症による要介護や要支援の人も該当することはあまり知られていないようです。おおむね6ヶ月以上にわたり寝たきり状態の方も該当します。


 認知症等の高齢者が税務上の障害者控除の認定を受けるためには、認定者の住所地の市区町村へ「要介護や要支援認定者の障害者控除の認定」の申請を行い、「傷害者控除対象認定書」を入手することが必要となります。申請時には主治医による日常生活自立度の判定をした「主治医意見書」が必要です。

 この認定書により所得税の確定申告で障害者控除が適用できますので、認知症高齢者等に該当しそうなご家族がおられる場合、住所地の市区町村へ確認してみてはいかがでしょうか。


以下、参考になさって下さい。

https://www.city.hamada.shimane.jp/www/contents/1001000001950/index.html


https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1185.htm

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★ コロナ借換保証の創設

 コロナ禍における支援策として、実質無利子・無担保で融資を受けられる制度、通称ゼロゼロ融資が昨年の9月末で終了しました。借りたお金は返すのが当然ですが、返済の目途は立っていますか?

 コロナ融資の影響で倒産する企業の件数は他の年と比べ大きく減少したという報道があります。企業努力の結果も理由の一つであると思いますが、ゼロゼロ融資により一時的に返済不要な資金があったことも理由であると思います。今後、元金返済が始まれば、対策をしなかった企業は一気に資金繰りが悪化します。コロナ禍の影響、物価の高騰等、問題は残ったままです。


 このような状況を踏まえ、中小企業庁は新たな保証制度を創設しました。ゼロゼロ融資からの借換のみならず、他の融資制度からの借換、事業再構築等に必要な投資にも対応する新しい制度となっています。売上高の減少や利益の減少等条件はありますが、今後の資金繰りを踏まえ、一度検討してみてはいかがでしょうか。制度概要については中小企業庁のHPをご確認ください。


<中小企業庁>

https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/sinyouhosyou/karikae.html


 ただし、これは一時しのぎのような制度ではありません。売上高や利益の減少といった条件に加え、「金融期間による継続的な伴走支援」と「経営行動計画書の作成」が必要となっています。

 そのため、融資が成立したあとも、計画に対してどのような状況になっているかを金融機関と共に考えていく必要があります。金融機関は職制上、様々な業種・業態を見ているため、支援を受けることは大きな武器になります。現実的に事業を立て直す計画と強い意志が必要になる制度ですが、自社の将来のためにぜひ活用してください。

 資金がなくなってから手を打つのではなく、資金にゆとりがある内に手を打つことが非常に大事になってきます。

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令和5年(2023年)1月5日号

★ 新年のごあいさつ

 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。旧年中は、格別のご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。


 昨年末閣議決定されたました令和5度税制改正大綱ですが、今回は、個人課税、法人課税共に盛沢山の内容となっております。

 特に気になります内容といたしましては、増税の時期は定められていませんが防衛力強化に係る財源確保のための税制措置です。

 そして、いよいよ10月から開始のインボイス制度です。

 色々と大きな変化が起こる年になりそうです。


 そのような状況下、弊所と致しましては、事務所経営理念である「自利トハ利他ヲイフ」に則り、所長スタッフ一同、地域・金融機関・行政等の皆様と共に、関与先企業様・地域企業様に寄り添いながら、満足していただけるよう、良質なサービスのご提供とご支援を行って参る所存でございます。


 さて、本年の干支は癸卯(みずのと・う)です。

 「癸」は、生命の終わりを意味するとともに、次の新たな生命が成長し始めている状態を意味しています。

 「卯」は、うさぎのように跳ね上がるという意味があり、何かを開始するのに縁起がよく、希望があふれ、景気回復、好転するよい年になると言われています。

 「癸」と「卯」の組み合わせから、これまでの努力が実を結び、勢いよく成長し飛躍するような年になると考えられますことから、今年こそは明るい年になりますことを期待して止みません。


 皆様のご健康とご多幸を心から祈念致しまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

 本年も何卒よろしくお願い申し上げます。


 最後に、本年も、メールマガジンをより一層良いものにし、旬な情報を皆様にお届けいたしたく、スタッフ一同一生懸命頑張ります。

 引き続きのご愛読のほど、重ねてお願い申し上げます。

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★ シリーズ~ 税制速報!令和5年税制改正案の内容をいち早く簡潔にお伝えします!

 12月23日に令和5年度与党税制改正大綱が閣議決定されました。


〇成長と分配の好循環の実現

1.NISA

 制度の抜本的拡充・恒久化として非課税保有期間を無期限化

2.スタートアップ・エコシステムの抜本的強化

 プレシード・シード期のスタートアップに再投資した場合など、株式譲渡益に課税しない制度を創設 

3.研究開発税制

 投資を増加させるインセンティブを更に強化

4.企業による先導的人材投資

 企業の成長を先導する人材を創出するための取組を後押しする


〇資産課税・・・資産移転の時期の選択により中立的な税制の構築

1.相続時精算課税制度の見直し

2.暦年課税における相続前贈与の加算


〇消費税関係

1.適格請求書発行事業者となる小規模事業者に係る納税額の負担軽減等(2割特例)

2.仕入税額控除の適格請求書保存要件の緩和(少額特例)

3.適格返還請求書の交付義務の緩和

4.適格請求書発行事業者登録制度の見直し

5.外国旅行者向け消費税免税制度における即時徴収対象者の見直し


 活用できるものは期限を確認し早めの検討を始められることをお勧めします。上記以外にも様々な改正が行われていますので、詳しくは財務省HP「税制改正の概要」をご確認ください。

 https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/index.html

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★ 補聴器購入者の医療費控除について

 高齢化社会を迎え、身体障害者に限らず広く補聴器を活用することが現在増えています。

 補聴器は高価な医療機器であり利用者、購入者にとって負担が大きいと思われますので、身体障害者以外の方が医療費控除の対象になるケースについてご説明します。


 身体障害者以外の方が購入した補聴器が医療費控除となるのは、医師による診療や治療などのために直接必要な補聴器の購入のための費用で、補聴器購入に際し一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額です。

 平成30年度から「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」の活用により、医療費控除を受けられることが厚生労働省、財務省によって承認されました。


医療費控除を受ける手順は

1.難聴患者は補聴器相談医を受診し、必要な問診・検査を受ける

2.補聴器相談医は「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」に必要事項を記入し、患者に手渡す

3.患者は補聴器販売店に行き「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」を提出し、試用の後補聴器を購入する

4.患者は「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」の写しと補聴器の領収書を受けとり、その年の確定申告における医療費控除対象として申告し、保存する


 「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」は医療費控除を受ける根拠を示すもので診断書ではありませんが、この中の第5項(難聴・補聴器に関する情報)の補聴器を必要とする主な場面(□ 医師等による診療や治療を受けるために直接必要)の□にチェックが入っているのが医療費控除を受けるために必須となります。


 補聴器を購入する必要がある方は診察時にこの書類について問合せをされ、要件を満たせば医療費控除について検討されてはいかがでしょうか。


以下、参考になさってください。

https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/shotoku/shinkoku/180416/index.htm

http://www.jibika.or.jp/members/iinkaikara/fukusi_koujyo.html

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★ 全国旅行支援 割引額部分の取り扱い

 令和4年10月11日から東京都を除いた46道府県で全国旅行支援が始まりました。宿泊料金が割引される、クーポン券を受け取ることができるなど、かなりお得に旅行できる制度となっています。

 島根県が行っているキャンペーンの詳細についてはこちらをご覧ください。

 この記事では全国旅行支援の消費税と所得税の取り扱いについてご紹介します。


 まず消費税についてですが、全国旅行支援ではGOTOキャンペーンと同様に割引前の価格を全額課税仕入れとすることができます。

 例えば、会社の従業員が出張等で2万円の宿泊費について5000円の割引を受けた場合、割引後の1万5000円ではなく、割引前の2万円を課税仕入れとすることが可能です。 

 ここで注意していただきたいのが、従業員との精算のやり方によって経理処理が変わってくるという点です。従業員等が2万円で精算した場合はそのまま2万円が全額課税仕入れとなります。

 従業員等が割引額を含めない1万5000円で精算を行った場合については、2万円を課税仕入れとし割引額の5000円については不課税取引の雑収入等で計上することになります。


 所得税についてですが、従業員の源泉徴収は社内の出張旅費規程に基づいて判断することになります。割引前の価格で精算を行っていても、出張旅費規程で通常必要と認められる範囲内であると判断できる場合には、源泉徴収は必要ありません。


 割引後の金額で処理すると思いがちですが、割引前の価格で処理できます。会社が有利になる場合もありますので、全国旅行支援を利用される際はぜひこの記事を参考になさってください。全国旅行支援は令和5年1月以降も延長予定と発表されています。

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過去の記事

過去の記事を以下に掲載しています。(PDFにてダウンロード可)

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